引き寄せの法則は嘘?脳科学が暴くスピリチュアルの正体と科学的に人生を変える3ステップ

「引き寄せの法則」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

「願うだけで夢が叶う魔法?」

「宇宙にお願いするって、ちょっと怪しい宗教的な話?」

そう感じるのも無理はありません。実際、書店に行けば「宇宙のパワー」や「波動」といったフワッとした言葉で語られていることが多いからです。

でも、もしこの法則が現代の脳科学や心理学で説明がつく、脳の当たり前の機能だとしたらどうでしょう?

実は、成功している経営者やトップアスリートの多くは、意識的か無意識的かに関わらず、この「脳の機能」を使いこなしています。

彼らは魔法を使っているわけではありません。脳の設定をうまく調整しているだけなのです。

この記事では、スピリチュアルな精神論は一切抜きにして、「脳の仕組み(RAS)」を利用して、狙ったチャンスを自動的に掴む方法を、科学的な視点からわかりやすく解説します。

オカルトが苦手なリアリストの方こそ、知っておくと人生の攻略が少し楽になるはずです。

目次

「引き寄せ」の正体は「脳のフィルター機能」

まず最初に、よくある「スピリチュアルな引き寄せ」と、この記事で解説する「科学的な引き寄せ」の違いを整理しておきましょう。

ここを混同すると、「やっぱり怪しい」となってしまいます。

違いを一言で言うなら、「外の世界が勝手に変わる(魔法)」のか、「脳が見ている世界が変わる(機能)」のか、です。

項目よくあるスピリチュアルな説明科学的な視点
仕組み宇宙の波動・エネルギー脳の機能(RAS・バイアス)
誰が叶える?宇宙にお願いして叶えてもらう自分の脳に検索させて見つける
本質奇跡・魔法情報処理・認知の変化
再現性信じる心の強さによる誰にでも起こる脳の仕様

つまり、科学的な引き寄せの法則とは、脳のフィルター機能を意図的にコントロールして、今まで見落としていたチャンスや情報に気づける状態を作ることなのです。

なぜ思考は現実化するのか? 3つの科学的メカニズム

では、具体的に脳内で何が起きているのでしょうか?

「思考が現実化する」と言われる現象の正体は、主に以下の3つのメカニズムで説明がつきます。

RAS(ラス):脳の自動検索エンジン

これが「引き寄せ」の正体の9割と言っても過言ではありません。

RAS(網様体賦活系:もうようたいふかつけい)とは、脳幹にある神経の集まりのこと。

難しい名前ですが、やっていることは単純です「情報のフィルター」の役割をしています。

私たちの脳は、目や耳から毎秒ものすごい量の情報を受け取っています。これをすべてまともに処理していたら、脳は一瞬でパンクしてしまいます。

そこで脳は、「自分にとって重要な情報」だけを通し、残りの99%を無視(削除)しているのです。

この機能、何かに似ていませんか?

そう、Google検索です。

検索窓に何も入れていない時は、ネット上の膨大な情報は目に入りません。でも、キーワードを入れた途端、求めている情報だけがズラッと表示されます。

具体例:カラーバス効果

例えば、あなたが「そろそろ新しいスニーカーが欲しいな。On(オン)のシューズとかいいかも」と考えたとします。

すると翌日から急に、街中でOnを履いている人ばかり目につくようになったりしませんか?

「あれ? 急にOnが流行りだした?」と思うかもしれませんが、違います。

昨日までもOnを履いている人は同じだけ街にいました。ただ、あなたの脳(RAS)がそれを「重要ではない背景」として無視していただけなのです。

「欲しい」と意図したことで、RASという検索窓に「On スニーカー」と入力され、フィルターが外れて見えるようになった。これが引き寄せの第一歩です。

「チャンス」や「成功」もこれと同じ。強く意識することで、今まで素通りしていたチャンスが見えるようになるのです。

プライミング効果:脳の自動操縦モード

2つ目は心理学の用語で「プライミング(先行刺激)効果」です。

これは、事前に見聞きした情報が、無意識のうちに次の行動に影響を与えるという脳のクセのことです。

例えば、こんな実験があります。

こんな実験が…

被験者に「高齢者」を連想する単語(シワ、杖、引退など)を読ませた後、廊下を歩かせると、読む前よりも歩く速度が無意識に遅くなったのです。

逆に、「自分は運がいい」「できる」という言葉やイメージを日常的に脳に入力しておくとどうなるでしょうか?

脳は無意識に、その言葉にふさわしい行動(自信のある態度、堂々とした話し方)を取ろうとします。

行動が変われば、当然、結果も変わります。

「思考が現実になる」というのは、魔法で現実が書き換わったのではなく、思考によって「行動」が自動修正された結果なのです。

確証バイアス:証拠集めゲーム

3つ目は「確証バイアス」です。

人間には、「自分が信じていることが正しい」と証明する情報ばかりを集め、反対の情報を無視するという強力な性質があります。

こんな証拠集めしてませんか?
  • 「自分はダメだ」と思っている人たまたま起きた小さなミスや、他人からの何気ない一言を「ほら、やっぱり自分はダメだ」という決定的な証拠として採用します。
  • 「自分は運がいい」と思っている人たまたま信号が青だったことや、欲しかった本が書店にあったことを「ほら、やっぱり自分は運がいい!」という証拠として採用します。

ポジティブな証拠ばかり集めていると、脳は「成功して当たり前」という状態(コンフォートゾーン)を作ります。

すると自己肯定感が上がり、挑戦へのハードルが下がり、結果として成功率が上がるのです。

これを「予言の自己成就」と言います。

科学的に正しい「引き寄せ」実践3ステップ

仕組みがわかれば、使い方は簡単です。

神様に祈る必要はありません。脳の検索設定を変更する作業を行いましょう。

STEP
検索ワード(ゴール)を具体的に入力する

Googleで「何かいいこと」と検索しても、欲しい情報は出てきませんよね?

脳も同じで、曖昧な指示では動きません。

×「幸せになりたい」

〇「ブログで月5万PVを達成して、読者から感謝のメールをもらっている状態」

このように、RASがターゲットを認識できるように、5W1Hを使ってできるだけ具体的に言語化します。

欲しいものの写真をスマホの待ち受けにするのも、視覚情報としてRASに入力するのに非常に有効です。

STEP
臨場感を高めて脳を騙す(リハーサル)

脳には「現実に見ていること」と「鮮明にイメージしたこと」を区別できないという性質があります(梅干しを想像するだけで唾が出るのが良い例です)。

この性質を利用して、「すでに願いが叶った時の感情」を先取りして味わいます。

「やったー!」「ほっとした」という感情までリアルに想像することで、脳はその状態を「現実(既成事実)」と勘違いし始めます。

すると脳は、今の現実(まだ叶っていない状態)の方を「おかしい」と感じ、そのギャップを埋めるための情報を必死に探し始めます。これがモチベーションの正体です。

STEP
直感に従って即行動する(データ収集)

ここが一番重要です。

スピリチュアルとの最大の違いは「行動」です。

RASの設定が完了すると、脳は自動的に関連情報を拾い始めます。

それは往々にして、「ふとした思いつき」や「なんとなく気になる」という直感として現れます。

  • 「あ、この本読んでみようかな」
  • 「久しぶりにあの人に連絡してみようかな」
  • 「いつもと違う道を通ってみようかな」

これらは偶然ではなく、RASが弾き出した検索結果です。

この検索結果(直感)を無視せず、すぐに行動に移す(クリックする)こと

棚からぼた餅を口を開けて待つのではなく、アンテナに引っかかった情報を取りに行く。

この「行動」があって初めて、物理的な現実が動き出します。

注意点:ネガティブな引き寄せも「科学的」に起こる

最後に一つだけ注意点があります。

Google検索が「善悪」を判断しないように、RASもあなたの願いが良いことか悪いことか判断しません。

もしあなたが「失敗したくない」「病気になりたくない」と強く願ったとします。

すると脳は、「失敗」「病気」というキーワードを検索窓に入力してしまいます。

これを心理学で「シロクマ効果」と呼びます。「シロクマのことを考えないで」と言われると、シロクマのことばかり考えてしまう現象です。

その結果、RASは「失敗するリスク」や「病気の兆候」ばかりを優秀に集めてきてしまい、不安が増大し、結果として恐れていた事態を引き寄せてしまいます。

目標を設定するときは、「~しない」という否定形ではなく、「~する」「~である」という肯定形を使うようにしましょう。

科学的引き寄せを加速させるおすすめアイテム

理論を学んだら、次は実践です。

形から入ることも、脳をその気にさせる(プライミング)ために非常に有効です。

教科書:『ブレイン・プログラミング』

この記事で解説した「RAS」の機能について、もっと深く知りたいならこの一冊が決定版です。

「引き寄せの法則」をスピリチュアルではなく、完全に脳の仕組みとして解明した世界的ベストセラーです。

「なぜ、願うだけで脳が動き出すのか?」という疑問が、この本を読めばすべて氷解します。

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魔法の杖:モレスキンなどの「高級ノート」

STEP1で「願いを書き出す」と言いましたが、この時はスマホのメモではなく、ぜひ「お気に入りのノート」と「書きやすいペン」を使って手書きしてください。

わざわざ良いノートを用意することで、脳は「おっ、これは重要なことだぞ」と認識し、RASのスイッチが入りやすくなります。

定番ですが、「モレスキン(Moleskine)」のようなハードカバーのノートは、持っているだけで「自分の人生の脚本を書いている」という高揚感(感情の先取り)が生まれるのでおすすめです。

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まとめ:引き寄せはオカルトではなく「技術」である

「引き寄せの法則」について、科学的な視点から解説しました。

  1. 世界が変わるのではなく、RASによって「見える世界」が変わる。
  2. プライミング効果によって、「無意識の行動」が変わる。
  3. 確証バイアスによって、「自信と根拠」が強化される。

こう考えると、引き寄せの法則は、怪しい魔法などではなく、私たちが生まれつき持っている脳の機能を最大化するための「技術(スキル)」だと言えます。

「信じるものは救われる」と言いますが、科学的に言えば「信じる(脳に入力する)ことで、必要な情報が見え、行動が変わり、結果が変わる」ということなのです。

まずは今日、騙されたと思って「本当に実現したいこと」を紙に書き出してみてください。

あなたの脳内Googleが、今まで見落としていた「答え」を検索し始めてくれるはずです。

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この記事を書いた人

終わりなきラットレースから脱出したいシステムエンジニア。
大学院を修了後、新卒入社した会社を10ヶ月で退社してシステムエンジニアに未経験転職。
今年の目標はワークライフバランスをライフに傾けること。

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