「昨日、何を話したか覚えていない」「どうやって家に帰ったのか思い出せない」
楽しさのあまり飲み過ぎてしまった飲み会の翌日にこんな経験はありませんか?
これはいわゆるブラックアウトと呼ばれる現象で、反論の余地もないほど間違いなくお酒の飲み過ぎが原因です。
しかし、ただの水分を摂り過ぎてしまっただけで、どうしてそんなことが起きるのでしょうか?
今回はお酒を飲み過ぎることで記憶が無くなってしまうメカニズムについて簡単に解説します。
記憶を作る脳の仕組み
まず、私たちが日々の出来事を覚える仕組みについて簡単に説明します。
記憶を作る重要な役割を担っているのが脳の「海馬(かいば)」という部分です。
この海馬は、新しい情報を長期的な記憶として保存するための”橋渡し役”をしています。
たとえば、友達と話した内容や新しい経験は、最初は短期記憶として処理されます。
その後、海馬を通じて長期記憶に変換されることで、私たちはその情報を長く覚えていられるのです。
お酒が脳に与える影響

お酒を飲むと、アルコールが血液を通じて脳へと届きます。
適量であればリラックス効果や気分が良くなる程度で済みますが、楽しさに身を任せて飲み過ぎると話が変わってきます。
なんとアルコールは海馬の働きを一時的に麻痺させる作用があるのです。
これは、海馬が新しい記憶を作る能力を失ってしまうことを意味します。
その結果、その間に起きた出来事が短期記憶から長期記憶に移行できず、「記憶が飛ぶ」という状態になるのです。
この現象をブラックアウトと呼びますが、実際には「記憶を思い出せない」のではなく、「そもそも記憶が作られていない」状態です。
例えるなら、旅行の最中にカメラのシャッターが壊れてしまい、代わりのカメラを用意するまでの間に旅の思い出写真を撮影することができなかったようなものです。
ブラックアウトを防ぐには?
ブラックアウトを防ぐためには、何よりもお酒を適量に抑えることが大切です。
以下のポイントを参考にしてみてください。
- ペースを守る
- 短時間で一気に飲むとアルコールの濃度が急激に上がりやすくなります。ゆっくり飲むことで脳への負担を軽減できます。
- 水を飲む
- お酒の合間に水を飲むことで、アルコール濃度を薄めることができます。また、脱水症状の予防にもなります。
- 空腹で飲まない
- 食事をとりながら飲むと、アルコールの吸収が緩やかになります。
- 自分の限界を知る
- 自分がどれくらい飲むと酔うのか、また、どの程度で記憶が曖昧になるのかを把握しておくことも重要です。
楽しいお酒との付き合い方
お酒は、適度に楽しむことでリラックスしたり人との交流を深めたりする素晴らしいツールです。
しかし、飲み過ぎると記憶が飛ぶだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
お酒を飲むときは、自分のペースを守りながら楽しい時間を過ごしてくださいね。
健康的で楽しい飲み方を心がけることで、素敵な思い出をしっかりと記憶に刻むことができるでしょう!
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